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環境にやさしい印刷―インキ編 ①

人々の生活はここ半世紀ほどで急速に変わり、その物質の恩恵に伴って環境問題は深刻です。印刷屋としても、地球環境になるべく負担をかけない工夫をしなければと思っています。
その取り組みの一つが植物油インキにすることでした。


松栄印刷所は2000年あたりからベジタブルインキに変えています。今使用しているインキは、『エコマーク』、『VEGTABLE OIL INK』、『NL』(印刷インキ工業連合会が制定した『印刷インキに関する自主規制(NL 規制)』に基づいて製造されたもの)、『ink green』(インキ中のバイオマス割合を主たる環境配慮の指標とし、その度合いを考慮して3段階の認定基準を定めたもの)、『non VOC』(構成成分中の石油系溶剤を植物油等に置き換えて1%未満に抑えたインキで、 従来の植物油インキよりもさらに環境にやさしいインキ)の認証を取っている物を使っています。

環境に配慮する取り組みを行政が指導することもあって、少しずつ広まってきていますが本当に配慮がされるかは、使う人の意識が大切だと思います。「マークをつければいい」と思っていたら大間違いだと思っています。
数年前に話題となった、再生紙の再生紙含有量の誤魔化し問題はそれを物語っていました。ニュースで知った時は、「紙屋に裏切られた!」と怒りがこみ上げましたが、よくよく聞くと、行政は再生紙を使うように指示があるけれど、再生紙は現代の高速印刷機では絡まりやすいなど紙屋にクレームがきていたとのことでした。でも「行政に収める印刷物は再生紙でなければならない」、それで含有量の誤魔化しがおこったそうです。
この時もっとそこを掘り下げて考えていけばよかったのですが、それからというもの再生紙は減り、とうとう「エコG100」という再生紙100%の紙は昨年から廃番になってしまいました。大好きだったケナフ100%の紙も廃番に。温かみのある紙が減り、平滑な紙に様変わりしていくのでほんとうに寂しいです。

環境に負担をかけない工夫は日常の仕事の中でもたくさんできます。それも大切だと思っています。(文責:桝田屋)

 

 

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