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2019年「己亥(つちのと・い)」の年。

早いものでもう立春を迎えようとしています。松栄印刷所の出版部『森と』では、昨年は5冊の本を作らせてもらいました。本には様々な役割を持って生まれます。

部数は少なくとも後年に残る貴重な本もあれば、家族のそばに寄り添える本や重要なことを広めるための本。
『川に挟まれて410年ーいちのつぼ沿革史』は後年に残る貴重な本でした。愛媛県中部を流れる「暴れ川」と恐れられていた「伊予川」を、松山藩主加藤嘉明が足立重信に命じ「重信川」に改修し城下町を水害から守ったのですが、その治水工事によって「いちつぼ村」は水害との闘いに。その歴史をまとめた本です。

『龍光寺』は1,000年頃建立された愛媛県今治市にある龍光寺さんの歴史をまとめた貴重な本で、花まつりの法要にあわせて作りました。
ご住職さんとは以前『ことのは』という絵本も作らせてもらい、この絵本を通して住職さんは「ことのは」の大切さを伝えています。

『ikiru』は絵を描くことが大好きだったお母様が亡くなり、娘さんたちがお母さんが描かれた莫大な絵の中から60作品を選んでまとめた画集で、娘さんや親族、お友達のそばに寄り添えるような本になりました。パステル画の風合いを壊さずに色を出すことがとっても難しかったです。
『銀』は友達カップルの銀婚式のお祝いに作った句集です。イラストからブックデザイン、印刷まで全部友達で作りました。
タイトル文字は銀の箔押しで、フランス装丁で作りおしゃれに仕上がりました。

『消えていくニガリ』は高知県大方町で天日塩を作っている友達の本です。
私も昔一緒に塩を作ったので、塩を作る経緯や塩の大切さを本にしたいと思っていました。

専売法で潰された日本の塩作りを、これは大変なことになると命を支える塩を復活させ、塩の大切さを広める使命を担っている本です。
塩作りの話が立ち上がった1980年ごろ、窪川原発誘致で荒れていたその場所に、あえて塩作りを始めたのは大きな挑戦でした。

原発に依存する生き方を選ぶのか、農業、畜産、塩などの第1次産業で生きていくか。天日で作られた塩は人の命を支え、そしてその塩作りは人の生き方も支えていく。
今回は塩づくりが立ち上がった経緯は織り込めませんでしたが、いつかまとめていきたいと思っています。

今年の第一弾は、家族を支えるお料理本です。
毎日食べるお料理でも、「家族が元気でありますように」と願いを込めたお料理は、おのずと違ってきます。
おいしいご飯は家族の笑顔と絆を生み出しますね。コンビニのおでんをが「家族の味」になっては大変です。
今年は1年間で2回も日食が観測できる非常に貴重な年だといいます。後年に残る本を何冊作ることができるかな。
気が引き締まります。(担当:桝田屋)

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